抗生物質
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抗生物質(こうせいぶっしつ antibiotics)は、微生物が産生し、ほかの微生物の増殖を抑制する物質の総称である。

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1 概念
2 薬理
3 分類
3.1 構造による分類
3.2 作用機序による分類
3.3 その他
4 関連



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概念
antibioticsの語は1941年にS.A.ワクスマンが定義した「微生物によってつくられ、微生物の発育を阻止する物質」が原義である。

フレミングが最初に発見した抗生物質であるペニシリンはアオカビが産生する。初期の抗生物質は抗菌性(antibacterial)を示すものが殆どである。

一方、抗生物質が化学療法にもたらした貢献は革新的であり抗生物質は抗菌剤の代名詞ともなった。その後、化学療法が扱う抗真菌、抗ウイルス、抗腫瘍の領域においても、真菌類や放線菌類などの産生する天然物が探求されていった。その結果、抗腫瘍性抗生物質のように必ずしも微生物ではないウイルスや悪性新生物の化学療法剤も抗生物質に含まれる様になった。

また天然物を化学的に修飾しその作用の増強や性質の改良が研究され、ニューキノロン系などのように、産生する微生物が存在しない人工抗菌剤もその由来により抗生物質とよばれるようになった。したがって、今日では「微生物の産生物に由来する化学療法剤」が広義には抗生物質と呼ばれている。言い換えると、抗生物質は微生物の産生物に由来する抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤そして抗腫瘍剤であり、その大半が抗菌剤である。

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薬理
抗生物質を含む抗菌剤は、細菌が増殖するのに必要な代謝経路に作用することで細菌にのみ選択的に毒性を示す(人体への毒性はそれに比べはるかに小さい)化学物質である。アルコール、ポビドンヨードなどのように、単に化学的な作用で細菌を死滅させる殺菌剤、消毒薬とは区別される。

細菌性の肺炎や気管支炎、中耳炎、敗血症など感染症の治療に用いられる。人類の最大の脅威であった細菌感染を克服し、平均寿命を大幅に伸ばすこととなった大発明であった。しかし、感染症との戦いは終わったわけではなく、治療法の開発されていない新興感染症、抗生物質の効力が薄くなるなどした再興感染症などが問題となっている。

抗生物質を濫用すると、細菌が抗生物質を分解したり無毒化してしまう因子を獲得して、抗生物質の効かない耐性菌(MRSAなど)が出現してくる危険性が増える。実際、医療現場を中心に、多くの抗生物質に耐性を示す多剤耐性菌の存在(院内感染)が問題になるようになっている。耐性菌にも効果があるとされたバンコマイシンでさえ効果のない腸球菌(VRE)、ブドウ球菌(VRSA)などが報告されるようになった。

ほとんどがウイルス性である風邪には治療効果はなく、細菌感染の合併予防にも効果があるとの根拠はないとして、日本呼吸器学会は風邪への安易な抗生物質処方を控えるべき旨のガイドラインを発表した。
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