言語の発展
1905年にフランスのブローニュで開催された第1回エスペラント大会で、エスペラントの基礎の変更を制限する宣言が採択された。宣言は言語の基礎をザメンホフが出版した「エスペラントの基礎」(Fundamento de Esperanto フンダメント デ エスペラント)から変更してはならないとし、いかなる者もこれを変える権利を有しないとした。この宣言は使用者が適当と思うように新しい考えを発表しても良いとしているが、本来の形を奨励している。

しかしながら実際には、現代のエスペラントの使い方は「エスペラントの基礎」で示された「お手本」と完全に一緒というわけではない。例えば「私はこれが好きです。」の一文をエス文に翻訳するときを例に説明する。「エスペラントの基礎」に沿って訳せば、“Mi ŝatas ĉi tiun.”(ミ シャータス チ ティーウン)となるが、これは「私はこれの価値を認める」という意味になる。慣習的には代わりに“Ĉi tiu plaĉas al mi.”(チ ティーウ プラーチャス アル ミ)と訳される。逐語訳すれば「これは私に気に入る」。完全に一緒の意味ではないがこちらの訳の方が「私はこれが好きです。」の意味に近い。

他の慣習的な変化としては、国名を表す接尾辞が-uj-から-i-に変わったことである(例:Japanujo → Japanio)。また、厳密に言えばエスペラント化された単語のうち、-aで終わっている単語は全て形容詞であるが、ヨーロッパの名前でMariaのように-aで終わっている女性の名前もエスペラント化された名詞として現在慣習的に認められている。「エスペラントの基礎」に従えば、エスペラント化された名詞はMarioのように全て-oで終わらなければならない。

加えてエスペランチストたちは、新しく登場した外来語を表すためにさまざまな新語を取り入れた。これらはそのまま使うのではなく、可能な限り造語法など言語の様式に従って取り入れている。例えば、コンピュータ(Computer)はKomputilo(コンプティーロ)といった具合である(道具を意味する接尾辞-il-を使っている)。一方ユーロのように、全てのラテン文字を使うヨーロッパの国々でeuroの綴りが使われているにもかかわらず、エスペラントの様式に沿ってeŭroと綴りを変えて取り入れているものもある。

新語はどんなものでも受け入れられるとは限らない。たとえば「安い」を意味する新語、ĉipa(チーパ・英語のcheapに由来)は、長たらしいmalmultekosta(マルムルテコスタ: mal/multe/kost/a=「(反対)・多く・費用・(形容詞)」)に代わるものとして造られたが、あまり使われていない。















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