染色体説
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染色体説(せんしょくたいせつ、Chromosome theory (of inheritance), 同: 染色体学説)とは、遺伝の様式を染色体の性質や挙動によって説明する学説。この学説は遺伝子が染色体上にあることを示しており、現在の自然科学では当然の前提とされる。メンデルの法則の実証、古典遺伝学の発展、分子遺伝学の基礎形成に深く関連したことで、生物学において重要である。ただしミトコンドリアDNAなど細胞核外の遺伝因子による細胞質遺伝はこれに従わない。

染色体説はバッタの染色体を用いた細胞学的観察からウォルター・S・サットンによって1902年に提唱され、トーマス・ハント・モーガンらのショウジョウバエを用いた遺伝学的研究により、1920年代ごろ確立された。提唱者の名前をとって「サットン-ボヴェリの染色体説」ともいう。発癌のメカニズムについてもテオドール・ボヴェリによる染色体説があり、これと区別する必要がある場合は「遺伝の染色体説」と呼ばれる。

目次 [非表示]
1 染色体説の背景
2 減数分裂における染色体の挙動と染色体説の提唱
3 遺伝学による実証
3.1 伴性遺伝と性染色体
3.2 染色体遺伝学の成熟に伴う確証
4 染色体説以降
5 年表
6 参考文献
7 外部リンク



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染色体説の背景

動物の細胞: 20世紀までに古典的な細胞学は発展を遂げていた染色体説提唱の背景には、全ての細胞は細胞から生じるとする細胞説と、当時再発見されたばかりのメンデルの法則がある。20世紀初頭、黎明期の遺伝学と、先行して発展していた細胞学の融合から、遺伝の染色体説が誕生した。

メンデルの法則は1865年に報告されるが、歴史に埋もれ、再発見されるまで35年を要した(詳しくはメンデルの項目を参照)。遺伝の連続性が保証される背景には細胞説があり、これに基づく古典的な細胞学は、染色・観察技術の発達とともに19世紀末までには発展を遂げていた。またヴァイスマンは遺伝因子は生殖細胞にあるとする生殖質説を提唱しており、移植実験などからは細胞核に遺伝物質があることが予測されていた。1842年に発見された染色体に関しても、続く研究でさまざまな生物種における種類や数、細胞分裂において母細胞から二つの娘細胞へと受け継がれる様子などの知見が蓄積しつつあった。

このように19世紀末には染色体説の下地ができていたが、遺伝の染色体説を主張するためには、配偶子形成における染色体の挙動を示す必要があった。なぜなら、遺伝の一過程である受精では、卵子と精子の融合によって染色体数が倍加するため、あらかじめ染色体の減数が必要である。しかし、この過程に関する知見がまだ得られていなかったのである。














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