緩衝・平衡
血液には緩衝液としての機能があり、内部環境(cf. ホメオスタシス)維持のために、様々な平衡を保っている。「主な役割・機能」で述べた事柄は、基本的には内部環境の平衡のためのものと言ってよい。

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酸塩基平衡
血液のpHは 7.35 から 7.45 の間で厳密に調整されている。この調整には、主に次の3つの平衡機構が働いている。
重炭酸塩による緩衝作用
肺での二酸化炭素の排出
リン酸緩衝系および腎臓の酸排泄による調節
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重炭酸緩衝系
血液の pH は、主に重炭酸ソーダ(重曹、アルカリ性)と炭酸(酸性)の比によって決まる。重曹が減るか、もしくは炭酸が増えると血液は酸性に傾く事になる。
身体中ではさまざまな酸が発生しているが、特に呼吸を代表とする酸化反応による二酸化炭素(炭酸ガス)の発生は莫大であり、これは血液に溶解して大量の炭酸となる。これでは酸性になってしまうので、炭酸から炭酸ガスを遊離する方向に緩衝反応が進み、その結果発生した炭酸ガスは呼吸中枢を刺激し、呼吸が激しくなって肺から排出される。
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リン酸緩衝系
炭酸以外にも、少量ながら硫酸、リン酸などの酸が体内では産出される。これらは炭酸と違い、ガス化して肺から排出出来ないため、リン酸ソーダによる緩衝作用、および腎臓からの排出によって調節される。
血液中には、第1リン酸ソーダと第2リン酸ソーダが、約1:4の比で存在し、これが酸緩衝液としての機能を果たす。
例えば、塩酸(pH 1)に第2リン酸ソーダ(pH 7)を加えると、第1リン酸ソーダ(pH 5)と食塩(pH 7)になる。つまり、強酸が弱酸に置き換わり、身体への影響がやわらげられる。
なお、第1リン酸ソーダは弱酸ではあるが酸性なので、これも何とかする必要があるが、これは腎臓の機能により調節される。
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糖平衡
血液は全身のすみずみまで、エネルギー基質であるブドウ糖やアミノ酸、遊離脂肪酸などを運搬し、体細胞が常に一定のエネルギー基質を使えるようにしている(ただし、タンパクやアミノ酸がエネルギーとして使われるのは、原則として非常事態の時に限られる)。
健常なヒトの場合、安静時には血液 100 ml 中の血糖(ブドウ糖)は、おおよそ 100 mg で安定している。これは主に、膵臓のα細胞から分泌されるグルカゴン、β細胞から分泌されるインシュリンにより調節される。
食事により血糖が上昇すると、β細胞からインシュリンが分泌され、血糖をグリコーゲンにして肝臓に貯蔵する。また、脂肪を脂肪組織に固定する。
逆に血糖が低下すると、α細胞からグルカゴンが分泌され、グリコーゲンを分解してブドウ糖にし、また、脂肪を分解して遊離脂肪酸とする。
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水分量平衡
生命活動は、身体内の化学反応により維持されていると言える。そして、それらの化学反応は、全て水溶液中で進行するため、身体内の水分量を保つ事は非常に重要である。血液は、身体内での相当量の水分を保持しているため、体細胞に水分を供給する重要な役割も持っている。
水分が不足すると、副腎皮質からアルドステロンが分泌される。また、激しい運動をすると、脳下垂体後葉から抗利尿ホルモン(ADH)も分泌される。
アルドステロンはナトリウムが尿中に排泄されるのを抑制し、結果として水分を身体にとどめる。発汗が多いと、アルドステロンの分泌はさらに促進される。また、抗利尿ホルモンは、その名の通り尿量を減少させる。
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温度平衡
恒温動物であるか変温動物であるかに関わらず、動物の体組織・体細胞が機能するには、ある範囲の温度が必要である。
ヒトの場合、体温が摂氏 34 度以下、あるいは摂氏 43 度以上になると、脳細胞が働かなくなり意識が消失してしまう。つまり変動の許容範囲はわずかに 10 度くらいである。外部環境としては、寒中水泳や 100 度近いサウナまで耐えられる事を考えると、内部環境の温度変化の許容範囲はきわめて厳しい。
血液は、全身を循環するので、身体各部分の熱を交換する。これにより、全身の体温をある程度一定に保つ事に寄与している
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