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ろ過 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 移動: ナビゲーション, 検索 ろ過(ろか、濾過(注), filteration)とは、液体と固体とが混合している物質を、粒子の大きさの違いを利用して分離する方法である。大きく分けて、ろ紙と漏斗を使う方法と、メンブランフィルターを使う方法とがある。ろ過をした後にろ紙上に残る固体を残渣(ざんさ、residue)、ろ紙を通過した液体をろ液(ろえき、filtrate)とよぶ。また気体から固体を除去する場合も、ろ過ないしはフィルターと呼ぶ。
おもに化学実験や化学工業などで用いられるが、家庭でペーパーフィルターを用いてコーヒーを入れるのも立派にろ過である。
(注)「濾」の字の代わりに「氵(さんずい)に戸」の漢字が使われることがある。学術用語集・化学編では使用が認められているものの、本来、この字は別の漢字の略字であるため、使用は主に化学分野に限られる。
目次 [非表示] 1 概要 2 種類 2.1 減圧ろ過 2.2 熱時ろ過 2.3 ひだ折りろ過 2.4 綿栓ろ過 2.5 メンブランフィルター 2.6 セライトろ過 2.7 限外ろ過 3 ろ過(水系自然ろ過)の方法 4 関連項目
[編集] 概要 一般的なろ過では、ガラス製の漏斗の上に、紙製のろ紙をのせ、その上からろ過したいもの(固体と液体の混合物)を注ぐ。ろ紙は細かい網目状の構造をもっているので、その網目よりも小さな物質(液体や、溶解している物質の分子)は通り抜けられるが、大きな固体は通り抜けられずにその上に残る。これによって、液体と固体を分離することができる。
ろ過をする場合、ろ紙の上に残るもの(残渣)が必要な場合と、ろ紙を通過した液体(ろ液)が必要な場合があるため、状況に応じてろ紙の素材と孔径を選択する。また、場合によっては、ろ紙にかかる圧力や漏斗の温度を変えたり、ろ紙の上に助剤とよばれる物質をのせたりすることで、ろ過を効率的におこなえるようにすることがある。
[編集] 種類 ろ過は、通常の圧力と温度で行う自然ろ過のほか、ろ過を早くすることを目的とする減圧ろ過と、収率の向上を目的とする熱時ろ過という手法がある。また、ろ紙以外にも、綿やセライト、あるいはプラスチック製のメンブランフィルターなどを用いることがある。以下、それぞれについて概説する。
[編集] 減圧ろ過 ろ過速度を向上させるために、ろ液を捕集するガラス瓶を減圧にし、ろ紙表面に大気圧を掛けてろ過する方法があり、この方法は減圧ろ過と呼ぶ。減圧ろ過ではろ紙がろ液に濡れたときの物理的強度を特に吟味する必要がある。減圧ろ過では圧力が一箇所に集中することを防ぐために、ろ紙を平面の目皿に置くブフナーロートが用いられる。
[編集] 熱時ろ過 再結晶をする際などでは、ろ過したい溶液の温度が室温よりも高いことが多い。これをそのまま室温でろ過すると、ろうと上で溶液が急冷され、結晶が析出してしまい、収率の低下を招く。そのため、このような場合では、漏斗とろ紙を予め加熱しておき、それでろ過をする。このような方法を熱時ろ過という。
簡易的には、漏斗とろ紙をオーブンで加熱しておき、ろ過する直前に取り出して使用する。また、漏斗の周囲にヒーターを付けた専用の器具も市販されている。
[編集] ひだ折りろ過 中学校の教科書などに掲載されるろ過の方法は、ろ紙を4つ折りにしてロートに密着させ、ここにろ過したいものを注ぐというものである。ただし、この手法は物理的強度には優れるものの、実際にろ過に使用されてるろ紙の面積は全体の半分だけであるため、ろ過の速度は遅い。
一方、専門的に化学合成を行う場では、ひだ折りろ紙を用いたろ過(ひだ折りろ過)をすることが多い。ひだ折りろ紙とは、山折と谷折を交互に繰り返したもので、ろ過をする際にろ紙の全面積を使用できるため、速度が速い。ただし、何度も繰り返し折るため、ろ紙の物理強度が弱く、場合によっては、頂点の折り目からろ紙が破れることもある。
[編集] 綿栓ろ過 ろ紙を使用しないろ過として、綿を用いた綿栓ろ過がある。漏斗に少量の綿をつめこみ、ろ過したいものを注ぐ。綿の量によって、ろ過の速度や精度が変化する。簡易的なろ過としてしばしば用いられる。
[編集] メンブランフィルター メンブランフィルターはフッ素樹脂で作られた多孔性の膜である。様々な孔径のものが市販されており、また強度も強い。特にろ液を回収したいときに向いており、多量の残渣が存在する場合は前処理で除く必要がある。また、メンブランフィルターは液体だけでなく気体のろ過にも使用される。
あらかじめプラスチックの間にはさまれた形状のもの(シリンジフィルター)と、専用のガラス器具にはさんで使用するタイプのものがある。
[編集] セライトろ過 分液操作において不溶物が皮膜化するとエマルションを解消することが困難となる。その場合、分液操作の前処理としてセライト(celite, 陶土)あるいはケイソウ土をろ過補助剤とした減圧ろ過を施し、不溶物を除去することで、エマルジョンを解消しやすくする方法がある。この手法をセライトろ過と呼ぶ。
また、同様の目的で、フェーズセパレーターろ紙と呼ばれる、紙製ろ紙をシリコン加工により發水性を持たせたろ紙が存在する。エマルション化した有機相-水相分液をこのろ紙を用いて自然ろ過することで、水相を残渣、有機相をろ液として分別する方法も存在する。
[編集] 限外ろ過 フィルターの孔径を分子サイズに近づけたろ過は限外ろ過と呼ばれ、巨大分子を除去することができる。限外ろ過の例としては中空糸膜を使った家庭用浄水器等が挙げられる。また生物の腎臓では糸球体において血液が限外ろ過され尿(原尿)が生成されており、人工透析では失われた糸球体機能の代わりを人工透析装置の中空糸膜が補っている。
[編集] ろ過(水系自然ろ過)の方法 まず、ろ紙を半分に折り、その状態からさらに半分に折る(当初の4分の1の形になる)。ろ紙のサイズは、毛細管現象によりロートの外壁を汚さないようにする為に、設置したときにはみ出さないサイズを使用する。 それを片側が一重で他方が三重にろ紙が重なるように円錐状に広げ、ろうとに設置する。この時、蒸留水を使ってろ紙をしっとりとぬらす。 上記の操作を行ったろうとを、ろうとの足がビーカーの内側側面につくようにして設置し、分離したい溶液をガラス棒を伝わらせて注ぎいれる。
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